マイクは音声信号を最初にキャッチする“音のスタート地点”で、スピーカーやヘッドフォン/イアフォンはリスナーに届ける“音のゴール地点”と言えます。音楽制作では、なるべく質の良い音声信号を取り込み、意図したサウンドをそのまま再現できるのがベストです。ここではマイクとモニター・スピーカー/ヘッドフォンの基礎知識を紹介。おすすめ製品の紹介と合わせて、購入の指針にしてみてください。
文:サウンド&レコーディング・マガジン編集部 イラスト:のぶゴリラ
マイクとモニター・スピーカー/ヘッドフォンは大事な音の出入り口
1. マイク
歌や楽器の録音に必要なマイク。いろいろな種類がありますが、よく使われているのは“ダイナミック・マイク”と“コンデンサー・マイク”の2つでしょう。前者はカラオケ・ボックス店でもよく見かけるような手で持つタイプが主流。大きな音が入っても音割れしにくいため、歌はもちろん、ギター・アンプや打楽器、管楽器まで幅広いソースに使えます。
一方の後者は、使用の際はマイク・プリアンプから電源(ファンタム電源)を供給する必要があります。レコーディング・スタジオでよく使われていることが多く、ダイナミック・マイクと比べて幅広い音域をリアルに収音できるのが特徴です。ノイズの原因になる強い息をカットするための“ポップ・ガード”を併用すると、より良いボーカル録音が行えます。
2. モニター・スピーカー
音を脚色せずに再生する音楽制作用のスピーカー。入門機でも低域を鳴らすスピーカー・ユニットの“ウーファー”と高域用の“ツィーター”の2つを備えたモデル、2ウェイ・タイプが多いです。ウーファーの口径(直径)は“インチ”で表記されることがあります。最近では入力音を増幅するパワー・アンプを搭載したパワード・タイプが主流。Bluetooth入力に対応した製品や、付属の測定マイクを使って自動で音場補正が行えるモデルも人気です。
3. モニター・ヘッドフォン
クリアな音を再生する音楽制作用のヘッドフォン。レコーディングに用いると演奏のニュアンスなどがとらえやすく、ミックスの際では微細な音色変化や音の定位感、全体のバランスなどが見やすくなります。DJ用や音楽鑑賞用のヘッドフォンは、低域が強調されるような仕様のモデルが多いため、音楽制作時はなるべく脚色の少ないモニター・ヘッドフォンを使いましょう。耳を覆う部分(ハウジング)が閉じている“密閉型”と、そうでない“オープン型”の2種類が代表的。前者は遮音性が高いため録音時の使用にも向いています。後者は開放感あふれる自然な聴き心地が特徴です。
AUSTRIAN AUDIO OC818 / OC18
価格:OC818:143,000円、OC18:99,000円
OC818は、AKG C12に用いられたカプセルを基にデザインされたCKR12デュアル・セラミック・カプセルを搭載するコンデンサー・マイク。指向性の切り替えが可能で、2基のダイアフラムとデュアル出力を搭載している。本体には指向性、ハイパス・フィルター、PADの切り替えスイッチを装備。それらをリアルタイムにコントロールできるPolarPilotアプリによって指向性を255段階で調整可能だ。OC18は、シングル・セラミック・カプセルのCKR6を搭載するコンデンサー・マイク。カプセルの特性はCKR12と同じ。指向性は単一指向のみとなっている。
SENNHEISER MK 4
価格:オープン・プライス(市場予想価格/ 33,000円前後)
MK 4は、プロフェッショナル仕様のカーディオイド型コンデンサー・マイク。24金メッキが施された1インチのラージ・ダイアフラムを搭載し、分解能が高く、パワフルで温かみのあるサウンドを生み出す。ボーカルやアコースティック楽器のレコーディングに適しているだろう。ボーカル・マイクの名機E965の音響特性を基に開発されたというトゥルー・コンデンサー・カプセルは、プロジェクト・スタジオやステージでの使用を想定した設計になっている。扱いやすく、コスト・パフォーマンスも高いので、ホーム・スタジオでの使用にも適していると言えるだろう。
LEWITT LCT 240 Pro ValuePack Black/White / LCT 440 Pure
価格:LCT 240 Pro ValuePack Black/White:19,800円、LCT 440 Pure:29,700円
ホーム・レコーディングやポッドキャスト制作にプロ品質のサウンドをもたらすコンデンサー・マイク
LCT 240 Pro ValuePack Black/Whiteは、自宅でのレコーディングやポッドキャスト制作にプロ・クオリティのサウンドをもたらしてくれる一本として、ビギナーにオススメのコンデンサー・マイクだ。指向特性はカーディオイド(正面からの音に感度が高く、背面からの音に感度が低い)で、ボーカル、ナレーション、楽器の録音に適しているほか、ライブ・ステージでも活用できるだろう。搭載されているダイアフラムは2/3インチ。感度が高い一方で、高耐音圧であるのも特徴だ。取り回しの良いサイズ感も魅力。ブラックとホワイトのカラー・バリエーションが用意されており、専用のショック・マウントが付属する。
LCT 440 Pureは、1インチの大型ダイアフラムを採用したコンデンサー・マイク。上位機種と同等のコンポーネント、回路設計が施されており、“ピュアなスタジオ・サウンド”を標榜した音質は、アコースティック・ギター、ドラム、管楽器などのレコーディングに適する。指向特性はカーディオイド。ボディは亜鉛ダイキャスト製だ。マイク・スタンドを伝わるノイズ、ショック、振動を低減してくれるショック・マウントと、効果的にポップ・ノイズとヒス・ノイズを低減する磁気ポップ・フィルターが付属する。
RØDE MICROPHONES M2
価格:16,500円
M2は、ライブ・パフォーマンスに適したコンデンサー・マイク。コンデンサー・カプセルは1/2インチで、ボーカルはもちろん楽器の集音にも適する。ボディはオール・メタル。内部に搭載したショック・マウントがハンドリング・ノイズを抑え、ステージ上でもスタジオ収録をしているかのようなクオリティを実現する。オン/オフ・スイッチにはロック機能が付いており、マイクの誤操作も防ぐ。指向性は、カーディオイド(正面と側面から音を拾い、後ろからの音は拾いにくい)より、さらに特性を鋭くしたスーパー・カーディオイドとなっている。
RØDE MICROPHONES M1 / M1-S
価格:M1:14,300円、M1-S:18,150円
M1は、頑丈かつ快適なハンドヘルド・マイクとして使用できるダイナミック・マイク。ハンドリング・ノイズを低減する内部設計を持ち、ライブ・ハウスやステージにおけるボーカル・マイクとして優れたパフォーマンスを提供する。カーディオイド(正面と側面からの音を拾い、後ろからの音は拾いにくい)の指向性により、音のこぼれやハウリングを抑える。M1-Sは、M1にオン/オフ・スイッチを搭載したモデル。同梱されている専用ドライバーでケーブル接続部分とオン/オフ・スイッチをロックでき、パフォーマンス中のケーブル脱落やマイクの誤作動が防げる。
RØDE MICROPHONES NT1-A
価格:38,500円
スタジオ・マイクとして評価を得ている高音質/低ノイズなコンデンサー・マイク
NT1-Aは、1インチ(約25mm)の大口径ダイアフラムを搭載したコンデンサー・マイク。温かみのあるサウンド、広いダイナミック・レンジ、明りょうさ、高価なマイクに匹敵する最大音圧レベルを特徴とし、スタジオ・マイクとして広く愛用されている、業界のスタンダードとも言えるモデルだ。
トランスレス回路を採用し、セルフ・ノイズは5dBAに抑えられているのもポイント。この低ノイズを活かし、スタジオや自宅で録音するときのボーカル・マイクとしてはもちろん、ギターやパーカッションの録音にも適している。指向性はカーディオイド(正面と側面からの音を拾い、後ろからの音は拾いにくい)、周波数特性は20Hz~20kHz、重量は326gだ。
カプセル・ショック・マウントを内蔵し、パッケージとして、RØDEの大口径ダイアフラム・マイクに適合するサスペンション・ショック・マウントSM6を同梱。取り外し可能なポップ・シールドが付属したショック・マウントで、好みの位置に調整できる。また、振動によるノイズを軽減し、マイクをしっかりと固定するため、装着すれば外部からの物理的要因からマイクを遠ざけることが可能だ。6mのXLRケーブルも付属しているので、購入してすぐに使い始めることができる。
RØDE MICROPHONES M5 Matched Pair / NT5 Matched Pair
価格:M5 Matched Pair:29,150円、NT5 Matched Pair:57,200円
2本の特性を合わせたマッチド・ペア・マイク。空間的な広がりを持たせながら繊細な音まで収音可能
2本の特性を合わせたマッチド・ペア・マイク。スタジオやステージにてステレオ・ペアでセッティングすることにより、空間的な広がりを持たせながら繊細な音までこぼさず収音することが可能となる。
M5 Matched Pairは、1/2インチ・カプセルのコンデンサー・マイク、M5のペア。指向性はカーディオイド(正面と側面からの音を拾い、後ろからの音は拾いにくい)。低ノイズと広い周波数特性が特徴で、スタジオでのレコーディングやステージでのライブはもちろん、自宅での録音にも適している。ペアリングについては、2本のマイク感度の差が1dBを超えないように選ばれている。
NT5 Matched Pairはアコースティック楽器、ドラム・オーバーヘッド、シンバルなど、ライブ・パフォーマンスの録音に適した、1/2インチ・カプセルのコンデンサー・マイク、NT5のペア。
指向性はカーディオイドで、そのタイトさは、スタンドやブームに取り付けて、映画制作の際に会話を録音するようなシチュエーションにも適している。また、カプセルを無指向性(マイクを中心に360°すべての向きから音を拾う)のNT45-Oに交換して使うことも可能。
ROSWELL PRO AUDIO Mini K47 / Mini K87
価格:オープン・プライス(市場予想価格/Mini K47:49,500円前後、Mini K87:57,200円前後)
こだわりのパーツと回路から成るコンデンサー・マイク2モデル
DIYのマイク・キット・パーツ製造会社を運営するなど、マイク界でその名を知られているマット・マクグリン氏が興したブランドROSWELL PRO AUDIO。その豊富な知識をもって開発されたラインナップの中から2つのコンデンサー・マイクを紹介しよう。
Mini K47は、NEUMANN U47スタイルのカプセルを持つモデル。3ミクロンの極薄なダイアフラム、ノイズとひずみを抑えるトランスフォーマーレス回路を備える。音圧の高いソースにも対応可能で、誇張のないナチュラルなサウンドと、低いセルフ・ノイズ、高い出力が特徴だ。
Mini K87は、NEUMANN U87スタイルのカプセルを持つモデル。34mmのラージ・ダイアフラムを備え、こちらもノイズとひずみを抑えるトランスフォーマーレス回路を搭載。信号回路全体にグレードの高いコンポーネントが使用されている。ナチュラルで色付けのないフラットな周波数特性を実現しており、イコライザーの効きが良好であることも本機の特徴と言えるだろう。楽器、ボーカルなどさまざまな音源に対応可能で、それらのサウンドをそのままとらえる。どちらも出荷前に入念なテストが行われるため、ユーザーはマイクを箱から取り出してすぐにハイ・パフォーマンスで使用できる。
SE ELECTRONICS V3 / V7 / DynaCaster
価格:V3:11,000円、V7:15,400円、DynaCaster:31,900円
タフな作りのダイナミック・マイクとポッドキャストや配信に適したモデルを紹介
SE ELECTRONICSが数多くのエンジニアやバンドと協力して得られた知識をベースに生み出したダイナミック・マイク、Vシリーズ。
V3は、亜鉛合金製の筐体でステージ上での酷使にも耐えられるタフな作りのダイナミック・マイク。スティール・メッシュ・グリルはへこみや錆に強く、金メッキされたXLR端子部もロスなく信号を伝えてくれる。指向性はカーディオイドで、ユーザーの声をステージ上のさまざまなサウンドから効率的に分離してくれる。また、内蔵ショック・マウントは機械的な振動からカプセルを切り離し、ハンドリング・ノイズを低く抑えることに成功している。V7は、V3と同様の特徴を持ちながらさらに鋭い指向性のスーパー・カーディオイド型のカプセルを備えており、周囲の楽器の音を排除して、声をとらえる。
一方DynaCasterは、その名前からも想像できる通りポッドキャストや配信に適したモデル。Vシリーズのテクノロジーが生かされたカーディオイド指向性のカプセルが生み出すサウンドは温かくナチュラル。パッシブでもアクティブでも動作し、ファンタム電源を入れると内蔵プリアンプによるゲイン・アップが可能だ。6つのイコライザー設定や内蔵ポップ・フィルターを搭載しているのも特徴。
SE ELECTRONICS SE2200 / SE2300 / X1 S / X1 A
価格:SE2200:39,600円、SE2300:50,600円、X1 S:25,300円、X1 A:16,500円
個性豊かなバリエーションがそろうコンデンサー・マイク・シリーズ
SE ELECTRONICSのコンデンサー・マイクを代表するモデルSE2200は、ハンド・メイドの1インチ・カプセルを搭載したカーディオイド型。優れた音響特性を実現するために2つの金蒸着ダイアフラムが用いられている。
‐10dBと‐20dBの切り替えが可能なPADスイッチにより、広いダイナミック・レンジのソースにも対応可能。80Hzと160Hzから選択可能なローカット・フィルターは、低域のランブルや不要な足元からのノイズなどを軽減し、過剰な近接効果を平衡させることに役立つ。トランスはカスタム設計で、しっかりとシールドされた金属製のハウジングによってノイズを気にすることなく扱える。ショック・マウントとポップ・シールドが付属するのもうれしいところだ。
ラインナップとして、指向性が、無指向性/カーディオイド/フィギュア8と切り替えられるマルチパターン・バーションのSE2300も用意されており、幅広い用途に対応する。
X1シリーズはホーム・スタジオでの使用に適したラインナップ。カスタムの1インチ・カプセルやメタル・シャーシ、2段階の切り替えが可能なPADとフィルターなどを備えたX1 S、エントリー・モデルとして基本的な性能を備えるX1 Aがラインナップされている。
ISOVOX Isovox2
価格:132,000円 (設置には別売りのPAスピーカー・スタンドが必要)
自宅での練習やレコーディングに適したパーソナルなボーカル・ブース
Isovox2は、頭部全体を覆うことのできるレコーディング・ツール。パーソナルなボーカル・ブースとして、自宅での練習やレコーディングに活用できる。これを実現した特許取得済みの360XYZ音響システムは、外部のすべての方向からの音波を制御するシステムで、録音時に不要な室内反射を防ぎ、自宅でもスタジオ・クラスのボーカル・レコーディングを可能にする。
内部の表面は強力な吸音性能を持ち、また、最高の音響環境を提供するために、さまざまな素材による複数のレイヤーによって構成されているのも特徴だ。不要な反射やノイズを防げるのはもちろん、周囲への音漏れが防げるのもうれしいところ。本体のサイズは幅490mm、奥行き800mm、高さ470mmで、質量は約11kg。
主な構成パーツは、背面と屋根を覆うルーフ・バック・カバー、底板となるベース・プレート、2つのサイド・プレート、ブース内に取り付けるフロント・スクリーンとLEDライト、そのほか吸音材やマイク・ホルダー/ポールなど。ドライバーなどの工具類は一切必要無く、マジック・テープやファスナーでスムーズに組み立てることができる。内部には照明も付いており、歌詞などを確認しながら練習や録音が可能である。
ADAM AUDIO T5V
価格:オープン・プライス(市場予想価格/44,000円前後/ペア)
ホーム・スタジオ向けに設計された小型の2ウェイのパワード・モニター
ADAM AUDIOが手掛けるホーム・スタジオ向けのパワード・モニター、Tシリーズは、コストを抑えながらも上位機種の技術を盛り込み、優れた性能を発揮、制作からミキシングまで幅広い用途に使用することができる。そのラインナップの中で最も小型のT5Vは、5インチ・ウーファーを搭載するモデルで、45Hzまでの低域再生能力を持っている。
また、新開発のU-ARTツィーターは25kHzまでの高域が再生可能で、高解像度が求められるレコーディングやミキシング作業にも対応。U-ARTツィーターには、同社のフラッグシップSシリーズで使用されているものと同様のウェーブ・ガイドが用いられ、高域における均一な放射特性を実現する。フロントに面取りが施されたキャビネットにはリア・ファイアリング型のバスレフ・ポートが付いており、そのコンパクトなサイズによって、スペースの限られた場所でも使用することが可能となる。
クロスオーバーとイコライジングは内蔵されたDSPによって制御。入力部にはRCAとXLRのアナログ接続が用意されている。ウーファー用の50WクラスDアンプとU-ARTツィーター用の20WクラスDアンプを搭載し、ペアで最大106dBのSPLを再生可能となっている。
FOCAL Alpha 50 Evo / Alpha 65 Evo
価格:Alpha 50 Evo:28,600円(1本)、Alpha 65 Evo:36,300円(1本)
Alpha Evoシリーズは、優れたコスト・パフォーマンスとともに、汎用性と高性能を提供することを目的に作られたパワード・モニター。Alpha 50 Evoは、小音量、大音量にかかわらず、同じトーン・バランスを実現。ミックス、マスタリング、DJ、ブロードキャストなど、さまざまな用途に対応する。Alpha 65 Evoは、50 Evoと比べ低域は40Hzまでの再生に対応。アルミニウム製による軽量のツィーター:インバーテッド・ドームが通常のスピーカーに比べ広いスイート・スポットを実現。あらゆる音楽スタイルにおいて、サウンドのディテールを精密に再生してくれる。
IK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitor / iLoud MTM
価格:オープン・プライス
iLoud Micro Monitorは、世界最小クラスのパワード・モニター。3インチ・ウーファーと3/4インチ・ツィーターを備えている。DSPを内蔵しており、3つのEQスイッチでトーンを調整可能。小さい筐体ながら明りょうなサウンドを提供する。Bluetooth接続も行える。一方のiLoud MTMは、上下左右対象のMTM(仮想同軸)デザインにより高精細で焦点の合った音像を実現したパワード・モニター。2つの3.5インチ・ウーファーと1インチのツィーターを搭載。角度が調整可能なスタンドも便利だ。自動音場補正や、DSPによるサウンド・コントロール機能も備えている。
NEUMANN KH 80 DSP
価格:65,000円(1本)
KH 80 DSPは、4インチ・ウーファーと1インチ・ツィーターからなる2ウェイ・パワード・モニター・スピーカー。233×154×194 mmの小型キャビネットにもかかわらず、57Hz~21KHzでパワフルなサウンド再生が可能。また、2021年春発売のMA 1オート・アライメント・マイクロフォンとMA 1アプリケーションを使って試聴環境を測定し、本機に内蔵されたDSPで自動的に補正することが可能。このMA 1アプリケーションを利用するには、パソコンとオーディオI/O、ネットワーク・スイッチが必要。詳しくは下の製品情報を参照してほしい。
PRESONUS Eris E3.5 BT / Eris E4.5 BT
価格:Eris E3.5 BT:19,800円(ペア)、Eris E4.5 BT:29,700円(ペア)
PRESONUSのパワード・モニター、Eris EシリーズのBluetooth対応モデル、3.5インチ・ウーファーのEris E3.5 BTと、4.5インチ・ウーファーのEris E4.5 BT。共に、ウーファーにはデザイン性にも優れたKevlar素材を使用。堅牢なコーンは周波数範囲全体でより均一な分散パターンが得られ、結果として時間の浪費されるオーディオが少なくなり、全体的なサウンドがよりクリーンになる。ツィーターにはワイドな分散パターンでサウンドを放射するようにデザインされた1インチ・シルクドーム・タイプを採用。また、25WクラスA/Bアンプを搭載している。
REPRODUCER AUDIO Epic 4
価格:オープン・プライス
Epic 4は、傾斜した筐体が特徴のパワード・モニター。この傾斜は、ドライバー間の精密な時間差調整のためのデザインで、これにより正しいサウンドをモニター可能となる。4インチ・ウーファーと1インチ・メタル・ドーム・ツィーターを備え、アンプの出力は50W+50W。ドライバーやパワー・アンプ、ハウジング、底面のパッシブ・ラジエーターに至るまでを自社開発することにより、フラットな周波数特性、全周波数帯域における速いトランジェント・レスポンス、広大で自然なダイナミック・レンジ、低ノイズと低ひずみが実現されている。サラウンド用の設置にも対応している。
TANNOY GOLD 5
価格:オープン・プライス(市場予想価格/28,000円前後)
GOLD 5は、70年以上の歴史を持つ同社伝統の同軸型ユニット“Dual Concentric”5インチ・ドライバーを備えたパワード・モニター。0.75インチのチタン・ツィーターはスイート・スポットを広げ、クラスABアンプが優れた音響特性を発揮する。オート・スタンバイ機能、最適な低周波数を提供するフロント・ファイアリング・バスレフ・ポート設計も特徴だ。右上のQRコードから製品のページへ飛ぶとARコンテンツが用意されており、さまざまなアングルで見られるほか、スマートフォンで開くとカメラ機能を利用して部屋の中に製品を設置した様子が見られる。
YAMAHA HS8 (W)/ HS7 (W)/ HS5 (W)/ HS8S
価格:オープン・プライス(市場予想価格/HS8(W):44,000円前後(1本)、HS7(W):29,700円前後(1本)、HS5(W):17,600円前後(1本)、HS8S:58,300円前後)
プロの現場でリファレンスとして愛されるYAMAHAスタジオ・モニターの伝統を継承
プロの現場で愛用されるYAMAHAのニア・フィールド・モニター。その歴史はNS-10MシリーズからMSPシリーズへと受け継がれ、このHSシリーズに結実している。HSシリーズでは、磁力線のフローを制御/均一化する磁気回路設計を施した新開発のトランスデューサーを採用し、また音響部品の再選定/最適化を併せて行うことで再生能力の向上が図られている。パワー・アンプ部には、高域と低域のそれぞれの帯域を専用パワー・アンプで増幅するバイ・アンプ方式を採用しており、各モデルに最適化されたアンプ・ユニットは常に高品位で音質変化の少ない均一なサウンドを提供する。
各モデルとも1インチ・ドーム・ツィーターを採用、ウーファーのサイズによって3つのタイプから選べ、8インチ・ウーファーを搭載したHS8、6.5インチ・ウーファーを搭載したHS7、5インチ・ウーファーを搭載したHS5がラインナップ。HS8W(白)のみ受注生産となるが、いずれのモデルも黒と白のカラー・バリエーションが用意されている。また、型番に“I”の付いた吊設置対応モデルもラインナップ。超低域を22Hzに拡張し正確に再現する8インチ・サブウーファーHS8Sとの組み合わせもお勧めだ。
YAMAHA MSP5 Studio / MSP3A
価格:オープン・プライス(市場予想価格/MSP5 Studio:29,480円前後(1本)、MSP3A:17,380円前後(1本))
自宅からプロ・スタジオまで幅広く愛されるYAMAHAのパワード・モニター・シリーズ
YAMAHAがニア・フィールド・モニターに求められる原音に忠実な再生能力を追求したMSPシリーズ。
MSP5 Studioはさまざまなフィールドで高評価を得たMSP5Aの後継機種として誕生したモデル。キャビネットの形状から細部に至るまでユーティリティやデザインが大幅に向上している。2ウェイ・バスレフ型のバイアンプ構成で、5インチ・コーン・ウーファーと1インチ・チタン・ドーム・ツイーターから成る。ツィーターにはウェーブ・ガイド・ホーンを採用し、クリアでナチュラルなサウンドを提供する。出力は67W。XLRとフォーン端子を備え、31ポイントのレベル・コントローラーおよびHIGHトリム、LOWトリムを搭載する。
より小型なモデルを求めているならMSP3Aが適している。前モデルMSP3よりも800g軽量化した筐体に22Wのパワー・アンプを内蔵。4インチ・ウーファーと0.8インチ・ツィーターの2ウェイ・バスレフ方式を採用しており、XLR/TRSフォーン端子に加えRCA端子を備えている。ポート両端で発生するノイズを抑制する独自技術“ツイステッド・フレア・ポート”によるクリアで忠実な低域再生も魅力だ。
VITAL AUDIO VAB Series
価格:4,510円(0.5m/TRS-TRS)〜
VABシリーズは、DAWを中心とした自宅レコーディングに最適なバランス・ケーブル。マイク・ケーブル、オーディオI/Oとスピーカーをつなぐケーブルなど、2本セットのペア・パッケージを含め、用途に応じて選べる全7種類のバリエーションが用意されている。VITAL AUDIOは、1991年に発足したブランド。ギター・ケーブルの製造に端を発し、スイッチャーやエフェクト・ペダル用パワー・サプライも手掛けている。楽器用ケーブルの印象が強いブランドだが、DAWを中心とした制作環境における需要の高まりを受けVABシリーズが開発された。
AUDIO-TECHNICA ATH-M50X
価格:オープン・プライス(市場予想価格/19,668円前後)
ATH-M50Xは、広帯域でフラットな特性による、解像度の高いモニタリングを実現したヘッドフォン。大口径の強磁力φ45mm CCAWボイス・コイル・ドライバーを搭載し、スタジオでのレコーディングやミキシング、DJに適している。遮音性を高める楕円形状のイア・カップを採用し、長時間でも快適なモニタリングが行える。90度の反転モニター機構を備え片耳モニタリングが可能なほか、持ち運びに便利な折りたたみ機構も備える。ヘッド・パッド、イア・パッドは過酷な使用を想定し耐久性の高いものが採用されている。コードは着脱式でメンテナンス性も高い。
ACOUSTUNE Monitor RS ONE
価格:12,980円
堅牢性とモニタリング性能を併せ持つステージ・モニター・イアホン
Monitor RS ONEは、同社のハイファイ・モデルHSシリーズで培った音響技術に加え、イン・イアー・モニターST1000、ST300の知見を生かした、堅牢性とモニタリング性能を併せ持つステージ・モニター・イアホン。衝撃や熱、汗に強いポリカーボネートを使用したハウジングは2つのパーツで構成。部品点数を減らすことで剛性を上げ、故障のリスクを低減させている。医療にも用いられる素材、ミリンクスを薄膜化した振動板は、軽量でありながら高い強度と柔軟性を備える。音響性能にも優れ、高解像度で広いダイナミック・レンジのサウンドが得られる。
また、振動板の背面スペースを大きく取り、振動板からグリルまでの距離を置くことで、瞬間的に最大250mW(1KHzの正弦波信号テスト時)の信号が入力された後でも正常に使用可能な高耐入力性を実現している。
さらに、ワイアレス・イアー・モニター・システムとの組み合わせを想定し、システムとのインピーダンス・マッチングを的確に行うことで、イアホンの特性が変わりモニタリング性能が低下するなどのトラブルを回避している。クセが付きにくく取り回しの良いケーブルは高純度リッツ線とケブラー・ワイアーを編み込んだ線材による4芯構造となっている。
ADAM AUDIO SP-5
価格:オープン・プライス(市場予想価格/ 77,000円前後)
同社のモニター・スピーカーが持つ特性と音質をポータブルなモニタリング環境で提供すべく誕生
SP-5は、スタジオやモバイル環境でのプロフェッショナルなモニタリング/ミキシングを念頭に開発された、耳全体を包み込むサーカム・オーラル設計の密閉ダイナミック型ヘッドフォン。同社のモニター・スピーカーが持つ優れたトランジェント特性とバランスのとれた音質を、ポータブルなモニタリング環境で提供すべく誕生した。
ドライバーには40mmの金メッキ処理が施されたダイヤフラムが採用されており、8Hz~38kHzというワイドな周波数特性と、音の立ち上がりに優れたトランジェント特性を実現しながら、ひずみを最低限に抑えることに成功している。感度は95dB@1mW/ earとなっており、ダイナミックな音源でも余裕のある再生が可能。スピーカーのような音の広がりを感じさせるULTRASONEの特許技術S-Logic Plusを採用し、緻密で、長時間の使用でも耳への負担が少ないサウンドを提供している。
また、アイソレーション・パッドの採用と290gという軽量ボディによって、装着性にも優れる。スタジオとモバイル両方での使用を想定しているため、入力インピーダンスが70Ωとなっている。本機はドイツでハンドメイドによって制作されており、着脱可能なケーブルや、頑丈なケースも付属している。
AUSTRIAN AUDIO Hi-X50 / Hi-X55 / Hi-X65
価格:Hi-X50:33,000円、Hi-X55:39,600円、Hi-X65:49,500円
独自開発のドライバーを搭載したヘッドフォン。タイプ別に3モデルをラインナップ
Hi-Xシリーズは、オーストリアのブランドAUSTRIAN AUDIOのプロフェッショナル・モニター・ヘッドフォン。Hi-X50はダイレクトなサウンドとタイトな装着感のオン・イア・タイプ、Hi-X55はオープンなサウンドと上質なフィット感のオーバー・イア・タイプ、Hi-X65はミキシングおよびマスタリング用にデザインされた開放型オーバー・イア・タイプのフラッグシップ・モデルだ。
独自に開発されたHi-Xドライバーは44mm。さまざまな測定やリスニング・テストの結果、このサイズが最適であると判断した。これにより、プロフェッショナルが求めるパフォーマンスを提供するだけでなく、多くの空気を振動させながらダイアフラムのぐらつきも生じさせなない。
さらに、優れた剛性によって不要な共振が抑えられたダイアフラムのデザインも、ドライバー全体の振動抑制に貢献している。低反発のパッドによる装着感も心地良く、長時間の作業も苦にならない。また、強度を左右するパーツにはメタル素材を採用し、ケーブルとパッドは交換可能とするなど、タフな使用に耐える堅牢さを備えている。折りたたみ/回転機構で、最大限のポータビリティを実現しながらDJやライブPAでの片耳モニタリングも可能としている。
KORG NC-Q1
価格:オープン・プライス(市場予想価格/34,980円前後)
ノイズ・キャンセリング技術を活用した新しいタイプのDJヘッドフォン
NC-Q1は、クラブやライブ・ハウスなどの大音量環境で耳を保護しながら、ノイズのない高解像度のサウンドをモニタリングできる新しいタイプのDJヘッドフォン。鍵となるのはノイズ・キャンセリング技術だ。
まず、フィードフォワードとフィードバックをともに利用するアクティブ・ノイズ・キャンセリングにより、多くのモニタリング環境で見られる過酷な状態に合わせて機能するようになっている。イア・カップの内外にそれぞれマイクを搭載しており、あらゆる方向からのノイズをシャット・ダウンする。この強力なノイズ・キャンセリング機能は一般的なノイズ・キャンセリング・ヘッドフォンでは適正に機能しないこともあるDJブースのような大音量下でも正確に機能する。
また、形状記憶フォームが採用されたイア・クッションは、快適さと耳へのフィット感に優れ、ノイズとサウンドを的確に分離する。さらに、特殊なフレーム構造によりフレームを経由して伝達されてくるノイズまでも最小限に抑え、これまでにないノイズ・キャンセリング体験を提供してくれる。EQのプリセットや音量バランス、どちらの耳でモニターするかを選んでカスタマイズできる点も先進的。Bluetoothや各種音声アシスタントにも対応している。
Westone Audio Pro X10 / X20 / X30 / X50
価格:オープン・プライス(市場予想価格/Pro X10:23,100円前後、Pro X20:39,600円前後、Pro X30:52,800円前後、Pro X50:84,700円前後)
バランスド・アーマチュア・ドライバーを搭載したプロフェッショナル仕様のイヤホン
Pro Xシリーズは、インイヤーモニターの老舗Westone Audioが手掛けるバランスド・アーマチュア・ドライバーを搭載したイヤホン。このドライバーは音のディテールを忠実に再現することが特徴で、同社が1990年に世界で初めて採用した。
Pro Xシリーズの各モデルは、このバランスド・アーマチュア・ドライバーが搭載された数によって区分けされている。エントリー・モデルとなるPro X10には1基フル・レンジで搭載。その特徴を知るための入り口として適したモデルだ。Pro X20には2基搭載。力強い低域と伸びのある高域を提供してくれる。Pro X30には3基搭載。低域、中域、高域に割り当てられた各ドライバーが、それぞれの周波数帯域をスムーズに鳴らせるよう設計されており、力強い低域と明瞭な中域、冴えわたる高域を聴かせてくれる。Pro X50には5基搭載。低域に1つ、中域と高域に2つずつ割り当てられ、ワンランク上のディテール表現と臨場感が得られる。
各モデルに共通して着脱式のケーブルが採用されている。ケーブルはアラミド繊維で作られており、極細ながら強度/耐久性に優れ、電気抵抗が少ない。軽量でタッチ・ノイズに強く、取り回しにも優れている。
YAMAHA HPH-MT8 / HPH-MT7(W) / HPH-MT5(W)
価格:オープン・プライス(市場予想価格/HPH-MT8:29,700円前後、HPH-MT7(W):24,200円前後、HPH-MT5(W):18,150円前後)
“原音忠実”というYAMAHAモニターの設計理論をヘッドフォンに凝縮したシリーズ
“原音に忠実であること”“音色や音像定位の微細な変化を正確に再現できること”。プロの現場で愛されるYAMAHAモニター・スピーカーが掲げる設計理論。NS-10MシリーズからMSPシリーズ、HSシリーズに至るまで一貫して持ち続けている哲学と言ってもよいその考え方をヘッドフォンに凝縮したのがMTシリーズだ。高品位で確かなモニタリングを可能とする再生能力、長時間の作業でも疲労の少ない装着感と作業に集中できる遮音性、そして過酷な現場にも耐え得る高い耐久性を実現している。
45mmカスタム・ドライバーとアルミ・ダイキャスト・アームを搭載したHPH-MT8はシリーズ最上位モデル。全帯域で高い分解能を備えレコーディングやミキシングの現場に最適。40mmカスタム・ドライバーとアルミ・ダイキャスト・アームを搭載したHPH-MT7は、レコーディングやミキシング以外にも、高い音圧レベルと耐久性を確保しているためライブ時のモニタリングにも適する。上位モデルのコンセプトを踏襲した40mmカスタム・ドライバー搭載のHPH-MT5は、バランスのとれたサウンドとシリーズ最軽量設計が特徴だ。HPH-MT7とHPH-MT5はホワイト・モデルも用意されている。