UNIVERSAL AUDIOが誇るオーディオ・インターフェースのApolloとDAWのLUNA。両者の組み合わせは、同社がこだわりを見せる“アナログ・サウンド”の真髄をデジタル上で体現できる、唯一無二のレコーディング・システムだと言える。この連載では、アーティストやエンジニアにApolloとLUNAのインテグレートを体験してもらいつつ、普段の音作りや楽曲制作の方法を紹介してもらう。
Overview|Apollo Twin X Duo|Gen 2 & LUNA
※付属UADプラグインが異なるエディションをラインナップ
・Essentials+ Edition:192,500円
・Studio+ Edition:236,500円
無償で使用可能(Mac/Windows)
※拡張機能LUNA ExtensionとUADプラグインをセットにしたバンドル(有償)も販売中
Gen 2となったApollo Xは、AD/DA性能の向上やオート・ゲイン機能、イマーシブ対応のモニター・コントロール機能、音響補正機能を統合させるApollo Monitor Correctionなど、前世代からの進化点が多数。DAWのLUNAは、アナログでのレコーディングを想起させるシンプルなワークフローで、素早い楽曲制作が可能だ。UADプラグインやサミング機能でアナログライクなサウンドを生かした音作りができるのも魅力。
Masayoshi Iimoriがシンセの音作りを語る
アナログライクなシンセを使って楽曲の“抜け感”を演出
Q. シンセの音作りのポイントは?
モダンなソフトウェア・シンセを使うときも、アナログ・モデリング系のエフェクトで音作りをすることで“味”が出るように意識しています。今回試したシンセのPolyMAXもOpalも、LUNA Extensionのテープ・サチュレーションを使うことで、天井まで響くような太いサウンドに仕上がりました。また、EQには前回も紹介したAPI Vision Channel Strip(編注:オプションで追加できる拡張機能)を使用しました。高域を結構上げましたが、耳に痛いわけではなく、聴かせたい帯域を自然に出してくれます。LUNAでビートを作ってラップを録音すると、かなり良い質感のヒップホップが作れると思いますね。
Q. PolyMAXとOpalの操作性は?
PolyMAXとOpalはLUNAとの親和性が高く、プリセット・ブラウザーがLUNA上で見やすく表示されるのがまず気に入ったポイントです。どちらのシンセも多機能で多くの音のバリエーションを生み出せますが、パラメーターは分かりやすく、ビギナーも操作に慣れるまで時間はかからないと思います。
Q. PolyMAXのサウンドの印象は?
昔のPCMシンセのようなサウンドが好きなので、PolyMAXのツボを押さえたプリセットが気に入りましたね。例えば、“Hoover De Vil”は時代感が出ているフーバー・サウンドで、パラメーターを何もいじらなくても使える即戦力プリセットです。海外の大物アーティストもアナログ・シンセを使って“抜け感”を演出することが多いですし、PolyMAXの質感はその雰囲気を作りだしてくれると思います。
PolyMAX Synth
Q. Opalの魅力は?
PolyMAXが往年のシンセ・サウンドだとすると、Opalは先鋭的で尖ったシンセという印象。ウェーブテーブル・シンセなので、波形をモーフィングしてアンビエントなサウンドも作りやすいです。プリセットには一歩前へ出てくるような目立つ音が多いので、リード・シンセに向いていると思います。LUNAのテープ・シミュレーションやアナログ系コンプ/EQを使って音を太くする処理は、このOpalの音作りでも効いてくるはずです。
Opal Morphing Synthesizer
製品情報
LUNA Digital Audio Workstation – Universal Audio