UNIVERSAL AUDIO LUNAで“アナログライクなサウンド”が生きるダンス・ミュージックのミックス by Masayoshi Iimori

UNIVERSAL AUDIO LUNAでのミックス by Masayoshi Iimori

UNIVERSAL AUDIOが誇るオーディオ・インターフェースのApolloとDAWのLUNA。両者の組み合わせは、同社がこだわりを見せる“アナログ・サウンド”の真髄をデジタル上で体現できる、唯一無二のレコーディング・システムだと言える。この連載では、アーティストやエンジニアにApolloとLUNAのインテグレートを体験してもらいつつ、普段の音作りや楽曲制作の方法を紹介してもらう。

Overview|Apollo Twin X Duo|Gen 2 & LUNA

Apollo Twin X Duo|Gen 2

Apollo Twin X Duo|Gen 2
※付属UADプラグインが異なるエディションをラインナップ
・Essentials+ Edition:192,500円
・Studio+ Edition:236,500円

LUNA

LUNA
無償で使用可能(Mac/Windows)
※拡張機能LUNA ExtensionとUADプラグインをセットにしたバンドル(有償)も販売中

 Gen 2となったApollo Xは、AD/DA性能の向上やオート・ゲイン機能、イマーシブ対応のモニター・コントロール機能、音響補正機能を統合させるApollo Monitor Correctionなど、前世代からの進化点が多数。DAWのLUNAは、アナログでのレコーディングを想起させるシンプルなワークフローで、素早い楽曲制作が可能だ。UADプラグインやサミング機能でアナログライクなサウンドを生かした音作りができるのも魅力。

Masayoshi IimoriがLUNAの魅力を語る

Masayoshi Iimori

【Profile】トラック・メイカー/プロデューサー。2015年にTREKKIE TRAXよりデビュー。NEST HQやGood Enuffなど、海外の名門からも作品を発表している。最近サンレコ2012年10月号を実家から発掘。

アナログ系サチュレーションで打ち込みの音も自然と生き生きとしてくる

Q. Apolloの印象は?

 このサイズのオーディオI/Oにしては、かなりの音量でモニターできますよね。勢いのある楽曲は特に気持ちよく聴こえる出音だと思います。それにデスクトップ・モデルはモニター・コントローラーが一体となったようなデザインが扱いやすく、持ち運びにも便利です。

Q. LUNAの操作感は?

 有償オプションのAPI Vision Channel Stripを持っていれば、LUNAを立ち上げた段階からトラックにチャンネル・ストリップが用意されるのがいいなと。加えて、テープ・シミュレーションのサチュレーションが使えるのはうれしいポイントです。普段の制作でも全トラックに対してサチュレーションをかけているので、それが最初から用意されているのはLUNAの強みだと思います。また、オーディオの扱いやすさも特筆すべき点です。ワープ・アルゴリズムのクオリティも高く、ピッチ・シフトも0.01半音で細かく調整可能で、ボーカル・エディットで重宝するでしょう。

 Tape Extension & API Vision Channel Strip 

サチュレーション効果をワンノブで得ることができるTape Extensionは、AmpexやStuderなど複数のモデルをラインナップ。無償版LUNAでもOxideというモデルを使用可能だ。有償のバンドルを購入すると、APIのEQやコンプをモデリングしたAPI Vision Channel StripがLUNAのミキサー画面に統合されるサチュレーション効果をワンノブで得ることができるTape Extensionは、AmpexやStuderなど複数のモデルをラインナップ。無償版LUNAでもOxideというモデルを使用可能だ。有償のバンドルを購入すると、APIのEQやコンプをモデリングしたAPI Vision Channel StripがLUNAのミキサー画面に統合される

サチュレーション効果をワンノブで得ることができるTape Extensionは、AmpexやStuderなど複数のモデルをラインナップ。無償版LUNAでもOxideというモデルを使用可能だ。有償のバンドルを購入すると、APIのEQやコンプをモデリングしたAPI Vision Channel StripがLUNAのミキサー画面に統合される

 Warp & Pitch Shift 

オーディオのタイム・ストレッチも可能。ソースに合わせて5種類のアルゴリズムから選択でき、Iimoriはそのクオリティを評価する。また、ピッチ・シフトやゲイン調整も同じ画面から行える

オーディオのタイム・ストレッチも可能。ソースに合わせて5種類のアルゴリズムから選択でき、Iimoriはそのクオリティを評価する。また、ピッチ・シフトやゲイン調整も同じ画面から行える

Q. アナログライクなサウンドは、ダンス・ミュージック制作でも生きてくる?

 僕はアナログ・モデリングのプラグインをいつも愛用しています。デジタルEQで極端なブーストをすると不快にクリップしてしまいますが、アナログ系だとその帯域の音量が上がって強調されるというよりは、ほかの帯域が引っ込んでいく感覚で、極端な設定でも音がうまくまとまるんです。また、プラグイン音源中心だとどうしても“打ち込み感”が出てしまうので、アナログ系のサチュレーションを付加することで音を自然と生き生きとさせることができるのも魅力。UADプラグインだと、Ampex ATR-102 Mastering Tape RecorderやVerve Analog Machinesを愛用していますね。

Q. LUNAの最大の魅力は?

 本物のコンソールのように扱えて、ミックスに集中して作業できるところだと思います。使い慣れているDAWでトラック・メイクして、LUNAでミックスするというワークフローもお勧めです。統合されたチャンネル・ストリップ、テープ・シミュレーションを活用して楽曲を素早くまとめていけそうな気がします。

製品情報

LUNA Digital Audio Workstationwww.uaudio.com

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