ドイツのヘッドホンブランドULTRASONEがプロフェッショナル向けに展開するSignatureシリーズ。そのミッドレンジ・モデルとして発売されたのが、Signature FUSIONだ。他モデルと同様、自然な音場を再現する独自技術S-Logic 3テクノロジーを採用しながら、新開発の45mmチタンプレイテッド・マイラードライバーを搭載。正確な再生と音楽的なサウンドの融合が追求されており、密閉型/開放型を両方ラインナップする。ヘッドホンを10台以上所有し、制作やDJに同社のSignature PUREやSignature PULSEを使うというkors kに、そのサウンドを評価していただこう。
Overview
ULTRASONE Signatureシリーズのミッドレンジ・モデル。既発のモデルにも採用されている、自然な音場を再現するS-Logic 3 テクノロジーを継承しながら、新開発の密閉ダイナミック型45mmチタンプレイテッド・マイラードライバーを搭載。鮮明でパワフルな低域レスポンスと、全帯域にわたって解像度の高いサウンドを追求している。上位モデルのSignature Master MkIIと同様、4極バランス接続に対応。
SPECIFICATIONS
■形式:密閉型ダイナミック ■ドライバ−:45mm チタンプレイテッドマイラー ■インピーダンス:32Ω ■再生周波数帯域:8Hz〜40kHz ■出力音圧レ ベル:106dB ■重量:約292g(ケーブル除く)
“主役の音”が分かりやすい
今回初めて試聴したSignature FUSIONを含め、ULTRASONEのヘッドホンには“ローの迫力”を共通して感じるという。
「まずSignature FUSIONの密閉型を、現在進行中のHIROSHI WATANABEさんのリミックス『Live the life Remixes 2』の制作で試しました。ローがぎゅっと詰まっていて高密度に感じるところは、Signature PUREやSignature PULSEとも共通する印象です」
一方でロー感以外については、「同じメーカ ーでもこんなに違うのか」と驚いたと話す。
「FUSIONは “主役の音”がとても分かりやすいです。僕らが作っている音ゲー楽曲にとって主役となるのは、キックのアタック部分や、 メインのシンセなどになるのですが、その辺りの帯域の解像度が高い印象。距離感やトランジェントも見やすく、音場に余裕とふくよかさがあります。主役をガツンと前に出すラップや歌モノの制作とも、すごく相性が良さそうに思いました。セリフやナレーションの扱いにも向くと思いますね」
一つ一つの音に集中できる
続いてkors kは、Signature FUSIONの音の“臨場感”や“没入感”について強調する。
「音が目の前に迫ってくるような臨場感があります。作業しやすいのはもちろんですが、 制作する上での楽しさがありますね。音色を作り込むときや楽器を弾いているときに、自分の世界に入り込めるというのも感じました。 音ゲーというのは音楽が主役で、皆さん集中してプレイするので、僕は制作時から “没入感”というのをすごく大切にしているんです。Signature FUSIONなら、集中して一つ一つの音を緻密に作れると思います」
開放型については、密閉型よりもやや下に 重心があり、見通しのよい印象を受けたそう。
「目の前にスクリーンが広がるかのような聴こえ方です。スタジオのコントロールルームで聴いているかのように、より全体をふかんして冷静に見られるように感じました」
Signature FUSIONは、ポップスやヒップホップをはじめどんなジャンルの曲を聴いても良い印象だというkors k。最後は自身が得意とする音ゲー楽曲におけるULTRASONE Signatureシリーズの強みを語ってくれた。
「音ゲー楽曲って、“音数の多さ”と“ローの分厚さ”を両立しないといけないんです。“音数”はゲームの面白さに直結しますし、ローで体を揺らすということも重要。ULTRASONE のSignatureシリーズは、音数が多い曲でもローのアタック感が分かりやすいです。Signature FUSIONはそこにフラットさがあるので、 制作用としてとてもバランスが良いと思います。これからゲーム音楽を作りたい人にぜひ薦めたいですね。シンプルにテンションが上がる音なので、音楽を作らないリスナーの方にもお薦めです」
【kors k|Profile】ダンスミュージックを基軸に多様なジャンルの楽曲制 作を行うアーティスト/作曲家。KONAM『I beatman ia IIDX』シリーズをはじめ、各種音楽ゲームへの楽曲 提供・プロデュース行う。また自身のレーベル“S2TB Recording”から積極的にリリースを重ねている。
Relese
『Live the Life Remixes 2』
HIROSHI WATANABE
(秋葉原重工)
※2025 年4月末リリース予定(音系・メディアミックス同 人即売会M3 春にて発売予定)