音楽制作ツールの使いこなしをレクチャーするオンライン動画セミナー『サンレコ クリエイティブデイズ』が開講! 制作に役立つTips満載の3本の動画が、サンレコ公式YouTubeチャンネルで公開された。
『Studio OneならDolby Atmos制作が超簡単!』は、PreSonusのDAWソフト=Studio Oneとヘッドホンだけで、簡単にDolby Atmosミックスができることを示すセミナー。Studio Oneに統合されたDolby Atmos Rendererをはじめ、各種ツールの使い方とミックスの手法について、Chester Beattyと鳥越裕史の2人のエンジニアが語る。
【動画】Studio OneならDolby Atmos制作が超簡単! by Chester Beatty&鳥越裕史
講師:Chester Beatty
講師:鳥越裕史
Studio One付属ツールとヘッドホンだけでステレオの楽曲を鮮やかにDolby Atmos化
セミナーは、2人が普段、イマーシブ・ミックスを行う山麓丸スタジオの紹介に始まった。同スタジオはGenelecのThe Onesシリーズを核とするマルチチャンネルのスピーカー・システムを有し、Genelec GLMで音場を補正している。スピーカーの台数が増えるほどに音場の乱れも大きくなりそうだが、GLMがあるからこそイマーシブ・ミックスに対応するモニター環境を手にできているという。
話は進み、Studio OneでのDolby Atmosミックスについて。まずは、ベッドとオブジェクトをいとも簡単に切り替えられる標準装備のパンナーに言及。その後、Dolby Atmos Rendererを立ち上げ、ヘッドホンで聴く際の音の遠近感を調整する“バイノーラルモード”を解説した。これらだけでも手軽さが伝わってくるのだが、次に説明されるヘッドホン・モニターの設定方法を見れば、スムーズにDolby Atmosミックスを始められることが確信に変わるだろう。
セミナー題材曲Tatsuki Okadarim「Harmonic Girl」(Dolby Atmos Mix)のプレイバックを経て、Chesterが「空間を生かした原曲の音作りを意識しつつDolby Atmos化した」と話す。ミックスの細部として、以下の3つが詳述された。
❶SE(鳥の鳴き声や水のせせらぎ)のオブジェクト化+標準搭載のマルチチャンネルIRリバーブOpen AIR2での処理
❷標準搭載のサラウンド対応エフェクト、Surround Delayを用いたボーカル処理
❸イマーシブの独自性を生かすキックのオブジェクト化
続いて、Studio OneでのDolby Atmos納品ファイルの書き出し方を説明した後、最新Ver. 6.6のApple空間オーディオモニタリング機能について「すごいですね!」と感嘆するChesterと鳥越。エンジニアはもちろん、ミュージシャンにも使いやすく設計されたStudio OneのDolby Atmos環境。その魅力を知りたい方々に、ぜひご高覧いただきたい。