プロが認めるApogeeの実力 〜角田隆太(モノンクル)がApogeeを選ぶ理由と制作現場での活用法

角田隆太

薄皮がはがれるような透明感 
宅録/ライブ/配信現場を支える信頼の音

1985年、デジタル録音黎明期にカリフォルニアで誕生し、40年にわたり音楽制作の現場に革新をもたらしてきたオーディオ機器ブランドApogee。独自のAD/DA技術やマスター・クロックによるジッター対策をはじめ、近年はボブ・クリアマウンテンとの共同開発によるプラグイン群のほか、イマーシブ制作にも対応するオーディオ・インターフェースまで幅広く展開している。

ここでは、モノンクルのベーシスト兼作編曲家の角田隆太のインタビューを通じて、制作現場での活用法や評価ポイントを掘り下げてみよう。

Users' Impression:角田隆太(モノンクル)

角田隆太

【Profile】詩情豊かなポップスにジャズのエッセンスを加えた、ジャンルレスな音楽を発信するソングライティング・デュオ=モノンクルのベーシスト。作編曲/作詞/ギター/ABLETO N Pushなどを手掛け、多様なアーティストの作品やライブにも参加。Photo:Takashi Yashima

 最初に手にしたのはApogee Element 24で、エンジニアの染野(拓)さんに「音質が良いから」と勧められたのがきっかけ。試してみたところ、それまで使っていた機材とは明らかに異なり、薄皮が一枚はがれたようなクリアさに驚かされました。その上で温かみもあり、クリスタルすぎない“ちょうどいい透明感”に魅了されたんです。その後、Element 46→Element 88→Symphony Desktopと導入していきました。Element 24は宅録用としてスタートしましたが、ライブでの使用が増えたことや、YouTube配信などで多チャンネルが必要になったことで上位機種に切り替えてきたという流れです。

 現在の制作では、Symphony Desktopが大いに活躍しています。ライブでElementシリーズを頻繁に使うようになり、自宅に据え置きのオーディオ・インターフェースが欲しくなったことがきっかけです。Symphony Desktopはフラッグシップ・モデルのSymphony MkⅡと同等クラスのAD/DAコンバーターを搭載しているという点も大きかったですね

Apogee Symphony Desktop、Element 46、Element 88

上から Apogee Symphony Desktop、Element 46、Element 88

 Symphony Desktopは、音のテクスチャーがより分かる印象で、解像度も非常に高い。また、タッチ・ディスプレイ+物理ノブの操作性が直感的でとても気に入っています。作業中にマウスではなく手を伸ばしてすぐ操作できる感覚は大事ですね。マイクプリ・エミュレーション機能も重宝しています。特にギター録音時には色付け目的で使用することが多く、ソリッド・ステートや真空管系のキャラクターを切り替えて楽しんでいます。

 動作の安定性という意味でも、Apogee製品の信頼感は非常に高いです。ライブ現場でもトラブルが起きたことはなく、安心して使用できる環境を支えてくれています。

 ちなみにApogeeプラグインの中でお気に入りなのが、PULTEC EQP-1AをエミュレーションしたFX EQP-1A。プラグインでも十分に実機らしさを感じられます。

 自身の経験を踏まえて言えるのは、“最初の一台”としてもApogeeは間違いないということ。今ではBOOMやDuet 3といったエントリー・モデルもあるので、まずはそういったモデルから試してみるのもよいと思います。自分もElement 24を宅録1年目に導入したときは半信半疑でしたが、それまで聴こえなかった音の輪郭がはっきりと見えてきた感覚でした。音の出入り口への投資で制作の根幹が変わる、そんな選択肢としてApogee製品をぜひ試してみてほしいです。

 

Apogee 製品情報

関連記事