IK Multimedia iRig Pre 2、iRig Pro I/O、iRig Stream 〜初心者にオススメのオーディオインターフェース

IK Multimedia iRig Series

 サンレコWeb編集部がおすすめする、初心者が買って間違いのないオーディオインターフェース。今回はIK Multimedia iRigシリーズから3製品=iRig Pre 2、iRig Pro I/O、iRig Streamをピックアップします。

ソフト/ハード両面から音楽制作をサポートするIK Multimedia

 IK Multimediaは、1996年イタリアで設立された音響技術・音楽制作のソリューションを提供する企業。ギターアンプ&エフェクターのシミュレーションに特化したソフトAmpliTubeシリーズ、ミックス&マスタリング向けプラグインスイートのT-RackSシリーズ、豊富なサウンドライブラリを誇るソフトシンセ/サンプラーのSampleTankシリーズ、ベース専用ソフト音源のMODO BASS、近年はギターアンプ/エフェクターの音色をAI技術を利用して再現するソフトウェアおよびハードウェアシステムのTONEXや、ピアノ専用ソフト音源のPIANOVERSEシリーズなど、革新的な製品を次々と展開しています。

 また、スマートフォンやタブレットを活用したモバイル音楽制作環境を提供するiRigシリーズは、コンパクトでありながら高品質な録音やストリーミングを実現。プロ〜アマチュアまで、幅広いユーザーに支持を受けています。

スマホ連携で初心者も安心のiRigシリーズ

 iRigシリーズは、初心者でもスマートフォンやタブレットを用いて本格的な音楽制作や録音を実現するオーディオインターフェースシリーズ。コンパクトで軽量な設計により外出先での使用にも適し、バッテリー駆動やUSBバスパワーに対応することで、場所を選ばずに録音やストリーミング配信が行えます。

 具体的には、マイク(XLR)をスマートフォンやデジタル一眼レフカメラなどに接続可能にするiRig Pre 2、24ビット/96kHzの高音質録音と多彩な入出力を実現するiRig Pro I/O、そしてDJや配信者向けに最適なストリーミング機能を備えたiRig Streamなどをラインナップ。さらに、iOS/Android/Mac/Windowsといった多様なデバイスとの互換性や、低ノイズ設計によるプロフェッショナルな音質も魅力です。これらによって、初めて音楽制作に挑戦する方でも、安心して高音質な録音環境を実現することができるでしょう。

iRig Pre 2 〜XLRマイクをスマホに最速ルートで直結

iRig Pre 2

 iRig Pre 2は、コンパクトなモバイル・マイクプリアンプ。XLR端子を備えるマイクをスマートフォンやデジタル一眼レフカメラに接続することができます。48Vファンタム電源を内蔵しているためコンデンサーマイクを使用でき、クリアで高音質な録音が可能。ダイレクトモニター機能により、入力信号をリアルタイムにモニタリングできます。 

 iRig Pre 2は、iOS/AndroidデバイスからDSLRカメラまで幅広い機器に対応し、ポッドキャスト収録/ライブ配信/フィールド録音など、さまざまな用途でプロフェッショナルな音質を実現します。

  • XLR/TRSコンボジャック入力 × 1系統
  • マイクプリ×1基(最大ゲイン+48dB)
  • 48Vファンタム電源内蔵
  • ステレオミニ・ヘッドフォン出力 × 1系統
  • 3.5mm TRRSライン出力 × 1系統
  • 周波数特性:50Hz〜20kHz ±1.5dB
  • 外径寸法:34(W)× 110(H)× 40(D)mm
  • 重量:75g
  • 電源:単3乾電池 × 2本
  • 価格:10,560円

iRig Pro I/O 〜24bit/96kHz録音をポケットサイズで実現

iRig Pro I/O

 iRig Pro I/Oは、24ビット/96kHz対応のAD/DAコンバーターを内蔵し、高品質なオーディオ/MIDI録音を実現できるコンパクトな多機能インターフェース。XLR接続によるマイク入力はもちろん、Hi-Z対応のフォーン端子を備えた楽器入力や2.5mmジャックによるMIDI入出力を搭載し、ギター/ベース/キーボードから外部MIDIコントローラーまで幅広く連携可能です。ステレオミニ接続による音声モニタリングも行えます。

 

 また、iRig Pro I/OはUSBバスパワーのほか単三乾電池 × 2本で駆動し、ポケットサイズで持ち運びにも便利。iOS/Android/Mac/Windowsとの互換性や低ノイズ設計により、どこでも高品質な録音環境を実現できるでしょう。

  • XLR/TSコンボジャック入力 × 1系統
  • マイクプリ×1基(最大ゲイン+48dB)
  • 48Vファンタム電源内蔵
  • ステレオミニ・ヘッドフォン出力 × 1系統
  • 3.5mm TRRSライン出力 × 1系統
  • MIDI入出力:2.5mm TSジャック(専用MIDI変換ケーブル付属)× 1系統
  • 周波数特性:20Hz〜20kHz ±1.5dB
  • 外径寸法:43(W)× 127(H)× 37(D)mm
  • 重量:120g
  • 電源:USBバスパワー、単3乾電池 × 2本
  • 価格:29,700円

iRig Stream 〜RCA入力/ループバックなど配信者のための機能を格納

iRig Stream

 iRig Streamは、ストリーミングや録音に特化したコンパクト・オーディオインターフェイス。RCAステレオライン入力を搭載するため、DJミキサーやCDなどの音源再生機器からの音声を直接取り込むことができます。24ビット/48kHz対応の高品質なAD/DAコンバーターにより、クリアな音質を実現。3.5mm TRRS端子を備えているため、マイク付きヘッドセットでの同時入力とモニタリングが可能です。また、ループバック機能により再生音をミックスしてストリーミングや録音に活用したり、モノラル/ステレオ切り替えもスイッチ一つで容易に行えます。

 さらにiOS/Android/Mac/Windowsといった多様なデバイスとの互換性を備え、USB-CやLightningケーブルも付属しています。iRig Streamは、DJ/ポッドキャスター/ミュージシャンなど、多くのクリエイターにとって、手軽に高品質なストリーミング環境を構築できる理想的な選択肢と言えるでしょう。

  • RCAステレオ入力 × 1系統
  • 3.5mm TRRSライン入力 × 1系統(ヘッドセットマイク入力用)
  • 3.5mm TRSライン出力 × 1系統(ヘッドフォン出力用/ヘッドセットとモニターヘッドフォンの同時使用が可能)
  • ループバック機能
  • 周波数特性:20Hz〜20kHz ±0.5dB
  • 外径寸法:44.5(W)× 105.5(H)× 24(D)mm
  • 重量:65g
  • 電源:USBバスパワー
  • 価格:20,900円

iRig Stream

まだまだある! クリエイターを支えるiRigシリーズ 〜豊富なラインナップ

irig creatorシリーズ

IK Multimedia iRig Creatorシリーズは、主にモバイルデバイスを活用したコンテンツ制作をサポートする製品シリーズ
高精度録音を実現するiRig Pre HD

iRig Pre HD

 iRig Pre HDは、高品質モバイル録音環境を実現するマイクプリアンプ。48Vファンタム電源を搭載し、24bit/96kHzのADコンバーターにより、コンデンサーマイクの繊細な音も録音できます。USBバスパワーや単3アルカリ電池2本で駆動するため、野外でのポッドキャストやフィールド録音にも最適です。

iRig Pro Duo I/Oで広がるマルチトラック録音の世界

iRig Pro duo

 iRig Pro Duo I/Oは、初心者でも簡単に複数の音源を同時録音できる多機能インターフェース。2系統のXLR/TRSコンボジャックを備え、マイクと楽器の両方を高品質に録音可能です。さらに、付属の専用MIDIアダプター経由(2.5mm TRS → 5ピンMIDI変換ケーブル)によるMIDI入出力機能で、外部MIDI機器との連携も実現します。

配信環境を進化させるiRig Stream Pro

irig stream pro

 iRig Stream Proは、初心者でも手軽にプロフェッショナルなストリーミング環境を構築できるオーディオインターフェース。XLR/TRS/RCAピン/TRRS入力やループバック機能を搭載し、複数の音源を同時にミックス可能です。24bit/96kHz対応のAD/DAコンバーターがクリアな音質を提供し、DJ/ポッドキャスト/ライブ配信にお薦め。

コスパ◎ スマホ配信に最適なiRig Stream Solo

itig stream solo

 iRig Stream Soloは、エントリーユーザー向けに設計されたシンプルなオーディオインターフェース。ステレオRCAピン入力とTRRS入力、そしてループバック機能を搭載し、スマートフォンでの録音や配信を容易にします。単3電池×2本で駆動(50時間動作)し、コンパクトで軽量なため持ち運びにも便利。初めてのストリーミング環境構築にもベストです。

すぐに始められる 〜製品事に最適化されたiRigシリーズの付属ソフト

 iRigシリーズには、製品ごとに使用目的に合わせたケーブルやアダプターが同梱されており、初心者でもすぐに使い始められるように配慮されています。またソフトウェアバンドルも用意され、製品登録後にダウンロード可能。多くの製品にはiRig RecorderシリーズやAmplitubeの特別版などが含まれていますが、製品ごとに最適化されたセットが提供されています。ここでは、今回紹介するiRig Pre 2、iRig Pro I/O、iRig Streamに同梱されるソフトの一部を見ていきましょう。

iRig Recorder LE

 iRig Recorder LEは、IK Multimediaが開発したモバイルデバイス向けオーディオ録音・編集アプリiRig Recorderの一部機能制限版です。iRig Pre 2やiRig Streamなどの同社iRigシリーズハードウェア製品購入者に無償提供されており、iOSデバイスに対応。Androidデバイス向けにはiRig Recorder 3として用意されています。同アプリ内課金で、フル機能版へアップグレードすることができます。

iRig Recorder LE

iRig Recorder LEの編集画面。録音だけでなく、マーカーやループ再生など基本的な機能が搭載されている
 iRig Recorder LEは、ポッドキャスト収録、ライブパフォーマンスのキャプチャー、フィールドレコーディングやインタビューの録音などに利用可能。音楽制作におけるアイディアのスケッチ、モバイル環境でのクイック録音などには十分な機能を備えていると言えるでしょう。エフェクトなど、より本格的な機能が必要な場合は、アプリ内課金やフルバージョンへのアップグレードをお勧めします。

AmpliTube TONEX SE

 AmpliTube TONEX SEは、AI技術を用いたギターアンプ&エフェクト・シミュレーションアプリの特別版(Special Edition)です。iRig Pro I/Oなどに付属し、スタンドアローンおよびiOS/Mac/Windowsで動作。AAX/AU/VST2/3プラグインに対応しています。さまざまな音楽ジャンルやプレイスタイルに対応した1,000種以上のプリセットのほか、ビンテージからモダンまで約20台のアンプモデルを収録。キャビネットシミュレーションにより、複数のスピーカーキャビネットとマイクの組み合わせを再現することも可能です。

ToneX

iOSアプリ版TONEXのメイン画面。ギターアンプをほうふつとさせるユーザーインターフェースを備えている

 ユーザーインターフェースはシンプルで直感的な操作性を持ち、音色設定だけでなく、プリセットやアンプモデルの検索も容易に行えます。通常版であるTONEX MAXと比較すると、TONEX SEでは自作モデルの作成は基本機能のみ、ペダルボードスロットは4スロットまでなど幾つかの制限があるため、より多くのモデルや機能が必要な場合は、アップグレードすることをお勧めします。

iRig Pro I/O Review by in the blue shirt 〜手のひらサイズで高音質、iRig Pro I/Oは即戦力の音楽制作・録音パートナー

in the blue shirt

【Profile】有村崚のソロ・プロジェクト。Maltine RecordsやSecond Royalからのリリースを経て、2024年には最新EPを発表。ドラマの劇伴やCM音楽も手掛ける。

iOS/Android/Mac/Windowsデバイスで動作

 ギターやベースの録音に興味を持ったものの、“どんな機材を買ったらいいか分からない”という人はたくさんいると思います。そんな中、IK Multimedia iRig Pro I/Oは手のひらサイズで、場所を選ばずにさまざまなシーンで活躍するポータブルなオーディオ/MIDIインターフェースとしてお薦めです。
 まず音質についてですが、24ビット/96kHzの内蔵コンバーターによって、入出力共にクリアな音質を実現。また、iRig Pro I/OはXLR/TRSフォーンコンボ端子を採用しているため、マイクやギター/ベースなどをそのまま接続可能です。2.5mm MIDIインターフェース機能を搭載しているため、外部シンセやDAWとも連携できます。さらに、48Vファンタム電源内蔵のためコンデンサーマイクも利用できるほか、3.5mmステレオヘッドフォン出力端子を用いて録音中の音声をモニターすることも可能です。筆者はライブ録音やフィールドレコーディングなどで使用したところ、くっきりとした音質で収録できており、収録時のレイテンシーもほぼ実感しませんでした。
 iRig Pro I/Oは使用環境を選ばないのも魅力。iOSやAndroidデバイス、Mac/Windowsといった複数の環境で動作します。ただ動作するだけでなく、USB-A、USB-C、Lightningという3種類のケーブルが付属しているため、煩わしい変換アダプターなどを使わず、お手持ちのコンピューターやスマートフォンとダイレクトに接続可能です。さらに、コンピューター接続時はUSBバスパワーで駆動、スマホ利用時は単三電池×2本によって動作するため、モバイル利用での取り回しの良さも抜群です。

購入後すぐに録音・制作ができる付属ソフト

 とにかく、買った瞬間から即戦力になる付属ソフトウェアが充実しているのも魅力です。AmpliTube 5 SEAmpliTube TONEX SET-RackS 5 SEといったDAW上で使用するプラグインのほか、iOS向けにはCubasis LE(DAW)、SampleTank for iPhone/iPad(ソフトシンセ/サンプラー)、Essentials Bundle for Mic Room(マイクモデリング)、Essentials Bundle for AmpliTube CS(ギターアンプシミュレーター)、Essentials Bundle for VocaLive CS(ボーカルエフェクトプロセッサー)といったアプリが付属しています。現状は何も持っていないが、今すぐ楽器の録音や音楽制作を開始したいという方にとって、iRig Pro I/Oを購入するだけで一通り必要なものをそろえることができるラインナップです。

 操作性に関しては、コンパクトな筐体に機能がまとめられており、初心者でも迷わず設定が行えます。フロントパネルの下部にある大きなダイヤルでゲイン調整ができますが、その上部にあLEDインジケーターによってクリッピングを分かりやすく警告してくれるため、録音に慣れていなくてもクリッピングを避けた録音ができるでしょう。また、iRig Pro I/O本体には滑りにくいつや消し加工が全体に施されており、強化プラスチック製で軽量(約120g)ながら耐衝撃性があります。
 近年、スマホの高性能化によりコンピューターを持たない人も増えていますが、そんな方が今すぐ歌や楽器の録音を始める上で、圧倒的なコンパクトさ、高品質なオーディオ性能、充実した付属ソフトウェア、直感的な操作性を持つiRig Pro I/Oは、心強いパートナーとなるでしょう

 

製品情報

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