Steinbergが、映画やゲームなどの映像音響制作に特化したDAWの最新バージョンとなるNuendo 14をリリースした。macOSはVentura、Sonoma、Sequoia、WindowsはWindows 11(Version 23H2以降)およびWindows 10(Version 23H2以降)に対応する。パッケージのラインナップは以下の通り。
- 通常版:DAC Nuendo 14 Retail(オープンプライス)
- アップデート版:DAC Nuendo 14 UD from 13(オープンプライス)
- アカデミック版:DAC Nuendo 14 Education(オープンプライス) ※学生、学校教員向けの優待販売版で、学生証、教員証等の画像ファイルが必要
- 競合クロスグレード版:DAC Nuendo 14 CG Competitive(オープンプライス) ※対象の他社製品を所有しているユーザー向けの優待販売版で、他社製品のライセンス登録情報やレシート等の画像ファイルが必要
なお、2025年2月19日(水)以降にNuendo 13をアクティベートしたユーザーは、特別優待期間としてNuendo 14への無償バージョンアップ対象となる。
Nuendo 14のアップデートは4つの項目に分類される。
ミキシング機能の強化とイマーシブ技術対応
- Adaptive Background Attenuation(ABA)
ABAは、せりふの明瞭度を向上させるために背景音を自動的に減衰させる機能。音声信号を自動調整するミキシングアシスタントとして、特に映画やテレビ制作で活用され、MPEG-Hコンテンツにも対応する。
- Dolby Atmos/Ambisonics対応
音を立体的に配置し、没入感のあるサウンドデザインが可能な空間オーディオ技術のDolby Atmosや、音源を球状に配置しVRや360°映像で使用される立体音響技術Ambisonicsに対応。Ambisonicsは、4次まで対応し、高精度な空間音響制作が可能となる。
AIによる編集とトランスクリプション機能
- 音声テキスト変換
自動せりふ置き換え作業を効率化する多言語対応のAIによる音声をテキスト化機能で、ダイアログトラックを直接マーカー化し、作業時間を短縮する。
- 柔軟なイベントボリュームカーブ
オーディオイベント内のレベル調整がツール切り替えなしで可能となり、編集プロセスがさらにスムーズになった。
ゲームオーディオとサウンドデザイン
- Game Audio Connect 3
ゲームエンジンAudiokinetic Wwiseとのリアルタイム連携が可能で、中間ファイルなしでエフェクトやサウンドを直接プレビューできる。
- CSVインポート機能
タイムコードなしでCSVファイルをインポートし、マーカーを自動的にプロジェクトに割り当てられるため、大規模ゲームプロジェクトにも対応可能。
ビデオエンジン刷新と楽曲制作強化
- 4K/8Kビデオ対応
高解像度映像の適切なスケーリング表示が可能となり、映像編集との連携が向上。
- 新スコアエディター
楽譜制作ソフトDoricoの技術を活用し、正確な楽譜作成を実現。作曲作業も効率化された。