UKの新鋭PWMからOSCarの血統を継ぐMantisとセミモジュラーシンセMalevolentが発売

PWM Synth header

 イギリスのシンセブランドPWMのシンセサイザーが日本に上陸。ハイブリッドアナログシンセMantis(242,000円)とモジュラー式ピュア・アナログシンセMalevolent(99,000円)が8月16日(金)に発売となる。

SUPERBOOTHで話題を呼んだシンセブランドPWM

 PWMは、イギリスで電子楽器業界での長い経験を持つポール・ウィッティントン氏によって設立。2021年のドイツSUPERBOOTHでブランドをお披露目し、MantisとMalevolentをアナウンス。2023年のSUPERBOOTHでMantisを発表した。そして今回、Malevolentの発売を機に、日本へのディストリビューションがスタートすることになった。

OSCarやWASPの機能を取り入れながら現代仕様にしたMantis

Mantis

 Mantisは、EDP Gnat、WASP、OSC OSCarなど伝説的なシンセを手掛けた故クリス・ハゲット氏(2020年没)とのコラボレーションから生まれたデュオフォニックシンセ。ハゲット氏の遺志を継ぎ、PWM の開発チームが完成させたという。

Playing Mantis 1

 オシレーターはDSPによる演算で正弦波/三角波/ノコギリ波/パルス波などを生成する方式で、安定性とコントロール性を確保。ボイスごとに2基のオシレーターとサブオシレーターを備えている。

 フィルターはオーバードライブを含むマルチモード仕様のステートバリアブルVCF。クリス・ハゲット氏が設計した特別な構成のSSI 2164チップが採用されており、2基のアナログフィルターを直列/並列で組み合わせることができる。OSC OSCarのように、WidthとWidth Modで独特なサウンドを演出可能だ。

 ゲインステージはすべてアナログ回路構成で、SSI2164 VCAを介して処理される。信号は2回増幅され、オーバードライブされたサウンドがウォームかつ自然にクリップするように設計されている。

Playing Mantis 2

 ADSRエンベロープは2基あり、押鍵の間にもレベルが変化する“Sus Fall“(サステインフォール) と “Velocity”(ベロシティモジュレーションレベル)”を搭載。リピートモードに設定すれば、LFOのように活用することも可能となっている。また、これとは別にLFOも2系統備えている。

Playing Mantis 3

 そのほかアルペジエイターや、デジタルエフェクトとしてリバーブとコーラスを実装。鍵盤はフルサイズ37鍵のアフタータッチ対応セミウェイテッド仕様で、USB-MIDIコントロールにも対応する。パッチはプリセット×100、ユーザー×100の2バンクで、プリセットの上書きも可能だ。

Mantis rear

入力信号と相互作用するフィルターを備えたMalevolent

Malevolent

 Malevolentは、セミモジュラー/フルアナログのモノフォニックシンセ。アナログシグナルパスは、同じ英国のブランドFuture Sound Systemsが設計を手掛けている。

 波形の変形が可能なShapeを備えた2基のVCO、入力レベルと相互作用するオプトFET制御の2ポール・サレンキーフィルター、ドライブコントロールを備えたVCA、ADSRエンベロープ×2基、LFO×1基が基本構成。USB-MIDI機能やMIDI IN/OUT端子なども備えている。鍵盤はミニサイズ32鍵仕様。

Malevolent Rear

 

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