AVIDのDAWソフト、Pro Toolsの最新版となるPro Tools 2024.6がリリースされた。ARA 2への対応強化や、MIDIプラグインの追加などが行われている。サブスクリプションが有効なユーザー、またはサポート&アップグレードが有効な永続ライセンスのユーザーは無償でダウンロードが可能だ。
ARA 2 プラグインのサポート強化
Pro Tools 2024.6では、Celemony Melodyneに加え、iZotope RX Spectral Editor、Synchro Arts RePitch、VocAlignmRevoice Pro、Sound Radix Auto-Align 2、Auto-Align Post 2のARA 2での動作をサポート。Pro Toolsでこれらのツールを迅速かつ簡単に活用できるようになった。さらに、サブスクリプション/永続版アップグレードプランが有効なユーザーには、このリリースの一部としてiZotope RX 11 Spectral EditorとSynchro Arts RePitch Elementsが無償提供される。
2つのMIDIプラグインが新規追加
Pro Tools 2024.6には、Mixed In Keyによる2つMIDIプラグインが追加された。
Captain Chords Liteは、任意のキーを選択し、転回、置換、および経過音を制御して、コードやコード進行を即座に作成できるプラグイン。ここで作成したデータをPro Toolsのトラック上にドラッグ&ドロップしてエクスポートできる。
Human Liteは、クオンタイズされたMIDIデータに対して、楽器の特性に応じた生演奏のようなゆらぎを与えることが可能だ。
MIDIノートの視覚化
MIDIエディタのMIDIノートと画面左のキーボードに、音名を表示可能に。ドック式MIDIエディタとウィンドウMIDIエディタで異なる設定を保存できる。
セッションデータ・インポートの機能向上
ほかのセッションデータをインポートする際に、トラックの色、表示/非表示、フリーズ、トラック上のクリップやオートメーション、マーカーの有無の情報に基づいた切フィルタリングが可能に。トラック名での検索やフィルタリングも可能になっている。また、インポートウィンドウでは、これらの多くの情報が視覚化され、トラックカラーやフォルダの階層構造などもひと目で把握しやすくなった。
内蔵Dolby Atmos Rendererのアップデート
Pro Tools 2023.12から内蔵されたDolby Atmos Rendererでは、モニタリングとカスタム・ライブ・リレンダリング用の新しいフォーマットを追加。リレンダラーを通さずに直接ステレオモニタリングが可能になったほか、編集ウィンドウとミックスウィンドウでのバイノーラルモード変更やDolby Atmosのグループ設定が可能になるなど、ウィンドウの行き来を減らしてより直感的に操作できるようになっている。
そのほか、メモリーロケーションの改善、Media Composerセッションのエクスポート、Sibeliusとの間でMIDIコピー&ペーストの向上、Pro Tools Sketchからのドラッグ&ドロップで該当プラグインを自動追加する機能など、さまざまなアップデートが図られている。