ミックス1年生

最終回 90's以降のサウンド~ポストロック

中村公輔 1990年代ごろまでは、“ロックは死んだ!”と盛んに言われていました。1980年代にはアンダーグラウンドだったテクノ/ハウスやヒップホップが隆盛を極め、ロックにはもう何も新しいことが起こらないだろうと思われていたのです。しかし、その閉鎖感を…

第16回 90'sサウンド~オルタナティブ・ロック

中村公輔 1990年前後に、1980年代の過剰にキラキラしたサウンドへのカウンターとして、オルタナティブ・ロックやグランジと呼ばれるジャンルが誕生しました。デジタル・リバーブを排し、生音やひずみを重視したそのサウンドは1960〜70年代にインスパイアされ…

第15回 90'sサウンド~シューゲイザー

中村公輔 1990年代にはいろいろなムーブメントが興りました。その1つとして、バンド・サウンドの音響面を先鋭化し盛り上がったジャンルがシューゲイザーです。代表格であるマイ・ブラッディ・ヴァレンタインが2月に新作『mbv』をリリースしたりライブで来…

第14回 80'sサウンド~ヘビーメタル

中村公輔 今回のテーマはまさかのヘビーメタルです。サンレコでメタルが扱われたことは、ほとんど無かったのではないでしょうか? しかし一時代を築いた音楽であるだけに、他ジャンルへ与えた影響には計り知れないものがあります。新しい音楽を作り出すヒン…

第13回 80'sサウンド~スティーリー・ダン

中村公輔 1980年代以降の録音に影響を与え、あらゆる現場でリファレンスとして扱われてきたスティーリー・ダンやドナルド・フェイゲンの諸作品。当初はベールに包まれていた音色の秘密が、近年の関係者インタビューで明らかにされてきています。当時の現場で…

第12回 80'sサウンド〜ゲート・リバーブ

中村公輔 皆さんはゲート・リバーブをご存じでしょうか? その名の通り、ゲートを使用しリバーブの残響成分をスパッとカットするエフェクトで、1980年代にはあらゆる曲のドラムがこの手法で処理されていました。"ドン・パー! ドン・パー!"というあの響きで…

第11回 80'sサウンド〜マーティン・ハネットの音

中村公輔 パンク以降に現れたポストパンク世代のバンドの中でも、その独特な音色によりひときわ目を引くのがジョイ・ディヴィジョンを筆頭とするファクトリー・レコード周辺のアーティストでした。その後のオルタナティブ・ロックやダンス・ミュージックにも…

第10回 70'sサウンド~ファンク

中村公輔 諸事情によりアップロードが遅くなりましたが、今月はファンクの音作りを実践しました! 2/4拍目にアクセントを置くリズム=バック・ビートを後ろにため、ハネたフレーズを反復させることで生まれるファンクの強力なノリは、現在のクラブ・ミュ…

第9回 70'sサウンド~ニューソウル

中村公輔 ロックに触発されて、1970年代のソウルもコンセプト・アルバムの時代に突入。それまではポップスのフィールドで活躍していたアーティストたちも、徐々に作家性を押し出した音作りにシフトしていきます。1960年代初期のモータウンとは、音楽性もさる…

第8回 70'sサウンド~ピンク・フロイドのプログレ

中村公輔 70'sロックのレコーディングを語る上で、ピンク・フロイドを欠かすことはで きません。中でも『狂気』(1973年)や『ザ・ウォール』(1979年)といっ たアルバムは、ロック史に残る金字塔となっています。今回は基本中の基本 とも言うべき『狂気』にフ…

第7回 70'sサウンド~ダブ

中村公輔 先月号ではレゲエを取り上げましたが、レゲエと言えばダブ! 両者は切っても切れない関係にあります。レゲエのトラックにエフェクト処理を施し、今で言うリミックスのように全く違う音楽のように聴かせるのがダブです。それまでのほかのジャンルと…

第6回 70'sサウンド~ボブ・マーリーのレゲエ

中村公輔 "夏と言えばレゲエ"というくらいに、日本でもレゲエは定着してきました。そして、レゲエと言えばボブ・マーリー抜きには語れないでしょう。そこで今回は、70's初頭にそれまでジャマイカのローカル・ミュージックだったレゲエを、世界的なポップ・ミ…

第5回 60'sサウンド~ソフト・ロック

中村公輔 1960年代中期、ロックの流行を受けてロック・テイストのフォーク="フォーク・ロック"が生まれ、1960年代後期には実験的なポップスである"ソフト・ロック"が誕生しました。両者は音楽的に密接しており、制作スタッフも共通していることが多いのです…

第4回 60'sサウンド~アメリカン・サイケデリック

中村公輔 イギリスやアメリカの若者たちが60's中期に巻き起こした文化革命=フラワー・ムーブメント。その産物とも言えるサイケデリック・ロックですが、イギリスではスイートなサウンド、アメリカではアシッドな響きとなっており、それぞれに個性があります…

第3回 60'sサウンド~エディ・クレイマーの音

中村公輔 『カンガルー・ポーの「ミックス1年生」』第3回は、1960年代の後期にジミ・ヘンドリックスやレッド・ツェッペリンの音楽を手掛けたエディ・クレイマーにフォーカス。彼はギター中心のロック・サウンドの立役者と言えるエンジニアで、同時期に活躍…

第2回 60'sサウンド~ウォール・オブ・サウンド

中村公輔 『カンガルー・ポーの「ミックス1年生」』第2回では、前回と同様に60'sサウンドを再現します。この度フォーカスするのは音楽プロデューサー、フィル・スペクターが1960年代に生み出した"ウォール・オブ・サウンド"とザ・ビーチ・ボーイズが1966年…

第1回 60'sサウンド~ザ・ビートルズ/モータウン

中村公輔 『カンガルー・ポーの「ミックス1年生」』は、さまざまなジャンルのミックス手法をビギナーにも易しく解説する新連載です! 2012年2月号まで連載していた『カンガルー・ポーの「マイク1年生」』ではいろいろな楽器をマイク録りしてきましたが、…